全国各地で異常気象が多発している近年、台風や大雨などにより、水没の被害に遭う車が増加しています。水没車は廃車にするしかないと考えている方も多いかと思いますが、水没車であっても買取価格が付く可能性は十分にあります。
こちらでは、水没車の買取査定基準や水没した位置別のおすすめの売却先、水没車を買取に出す際に押さえておきたいポイントなどについて詳しく解説していきます。
水没車の買取査定基準
一般的な車の買取査定では、車種や年式、走行距離などによって買取価格が決まりますが、水没車の場合はそれだけではありません。水没車はどのような基準で査定されるのでしょうか。
水没車の定義
水没車とは、一般財団法人日本自動車査定協会（JAAI）により、「集中豪雨や洪水などにより、室内フロア以上に浸水したもの、またはその痕跡により商品価値の下落が見込まれるもの」と定義されています。
また、シートのスライドレールやペダル類のブラケット、ステアリングポスト付近、シガーライター、シートベルトの取り付けボルトなどの、通常の使用では発生しないであろう箇所に錆や腐食、汚れやシミがある場合、泥またはカビの臭いがある場合なども、水没車として扱われます。
水没した位置別の買取相場
JAAIでは商品価値加減点の基準を定めており、中古車査定における減点は、「基本価格×減点率」で計算されます。水没車減点率は、下記のとおりに定められています。
・フロアまで浸水…減点率30%
・クッション上部まで浸水…減点率40%
・ダッシュパネル上部まで浸水…減点率50%
これらはあくまでも「減額率」ではなく「減点率」であり、最終的な買取価格は買取業者によって決定されるため、あくまでも目安として考えておきましょう。
水没車の水没位置別の売却先
水没車は水没の位置によって減点率が異なりますが、売却する業者も水没の位置によって選ぶことが重要です。水没車の水没位置別に、おすすめの売却先をご紹介します。
フロアまでの水没
エンジンに損傷がなく、フロアまでしか水没していない場合は、中古車として販売できるケースもあります。しかし、買い取った車の販路が少ないディーラーでは、買取価格が付かないことがほとんどであるため、ディーラーの下取りではなく中古車買取業者に売却するのがおすすめです。ただし、エンジンが床下にある車の場合は、フロアが水没した時点でエンジンも水浸しになってしまうため、中古車としての買取が難しくなります。
シート上部までの水没
シートの上部まで水没した場合、エンジンや電気系統が故障している恐れがあります。道路の冠水などにより水没した場合、河川の氾濫や下水道から溢れた汚水により、車両が非常に不衛生な状態になります。カビや錆、泥などによる異臭も発生しやすく、中古車として販売するのは難しいため、中古車買取業者ではなく、事故車専門の買取業者や廃車買取業者に売却することをおすすめします。事故車専門の買取業者や廃車買取業者であれば、水没の影響を受けていないパーツなどに値段を付けることができるため、シート上部まで水没してしまった水没車であっても買取価格が付く可能性があります。
ハンドル上部までの水没
ハンドルの上部まで水没した場合はエンジンが完全に水没し、車の損傷がかなり激しい状態になります。エンジンまで水没している場合、自然発火する恐れもあり大変危険なため、絶対に運転しないようにしましょう。万が一エンジンが動いたとしても、エンジン内に異物が混入している可能性が高く、後々エンジンに不具合が生じやすくなります。エンジンが水没した場合は、できるだけ早く事故車専門の買取業者や廃車買取業者に売却するようにしましょう。これらの業者であれば、解体した水没車のアルミや鉄に値段を付けることができるため、屋根まで水没したような水没車であっても、買取価格を付けられる可能性があります。
海外販路を持つ業者を選ぼう
水没の程度がそこまでひどくなく、中古車として再販できるような水没車であっても、日本では敬遠されやすい傾向にあるため、買取価格がどうしても低くなってしまいます。しかし、海外では車は修理しながら長く乗るものだと考えられているため、水没車であっても海外で需要のある車種などの場合は高値で取引されることもあります。そのため、海外販路を持つ買取業者であれば、海外に輸出した際の相場を買取価格に反映させることが可能となり、水没車に高値を付けやすくなるのです。海外販路を持っているかどうかは業者のホームページに記載されていることがほとんどであるため、確認しておくようにしましょう。
事故車買取専門のカーネクストは、全国13,000社の自動車関連業者と提携することで、国内だけでなく海外販路も保有しており、水没車であっても高く売れる販路をすぐに見つけることを可能にしています。レッカーが必要な動かない水没車の場合でも引取手数料完全無料、廃車手続きも無料で代行いたします。水没車の買取実績が多数ある事故車買取専門のカーネクストでは、水没車でも十分に買取価格が付く可能性があるため、まずは査定してみてはいかがでしょうか。
水没車の買取ポイント
水没車を売却する際、注意しておきたい点がいくつかあります。買取価格が付きにくい水没車だからこそ、きちんと確認しておくようにしましょう。
正確な情報を伝える
査定を受ける際は、水没した原因や状況、水没車の状態などを正確に伝えましょう。また、年式や走行距離などの基本的な情報が分からない場合、付けられる最低金額での買取となってしまう可能性があるため、車検証などを準備しておくようにしましょう。
虚偽の情報を伝えることは厳禁です。故意に虚偽の情報を伝え、後からそのことが発覚した場合は大きなトラブルに発展しやすく、損害賠償を請求される可能性もあります。
水没車の買取実績を確認する
水没の程度がひどい水没車の場合、中古車として販売することができないため、中古車買取業者では買取価格が付かないことも少なくありません。しかし、中古車としての販路だけでなく、アルミや鉄としての販路を保有している事故車専門の買取業者や廃車買取業者は、水没車であっても値段を付けられる可能性が高いです。事故車買取専門の買取業者や廃車買取業者などは、ホームページ内の買取実績などで水没車の買取実績を掲載していることがほとんどなので、水没車にどれくらいの買取価格が付いているのかを確認し、水没車の買取実績が豊富な業者を選ぶことをおすすめします。
部品が劣化する前に売却する
水没車は、時間が経てば経つほど錆などによって腐食が進み、どんどん劣化してしまいます。中古車としてではなく、廃車として買取に出す場合は、車のボディを構成するアルミや鉄などの金属に買取価格が付けられることになりますが、こういったパーツが錆びてしまうと買取価格も低くなっていきます。また、水没車を放置していると、害虫や悪臭なども発生しやすくなるため、可能な限り早めに手放すようにしましょう。
相見積もりを取る
業者によって買取価格は異なるため、車を売却する際は、複数の業者に相見積もりを取るようにしましょう。相見積もりを取ることで、水没車を一番高く買い取ってくれる業者を見つけることができます。
相見積もりを取るメリットは、買取価格が高い業者を見つけることができるだけでなく、車の相場を知れることにもあります。車の買取価格のおおよその相場は、車種や年式などをネットで検索することで知ることができますが、水没車の場合、水没の程度や買取業者の持つ販路によって買取価格が大きく変わるため、ネット上の情報だけで相場を把握するのは難しくなります。しかし、相見積もりを取っていれば、愛車のおおよその相場を知ることができるため、安く買い叩かれる心配がありません。
買取価格に還付金が含まれているか確認する
水没車に限らず、車を売却すると、毎年4月1日時点で車を保有していると課せられる自動車税、車の区分や重量、経過年数に応じて課税される自動車重量税、全ての車に加入が義務付けられている自賠責保険の保険料の還付金や返戻金を受け取ることができます。還付金や返戻金の扱いは買取業者によって対応が異なるため、買取価格に含まれているのか、どのように受け取れるのかなどを売却前に確認しておくようにしましょう。
まとめ
水没車は水没の程度を見極め、売却する業者を選ぶことが重要です。中古車としての販売が難しい水没車は、水没車の買取実績が豊富な事故車専門の買取業者や廃車買取業者に売却するようにしましょう。水没車であってもアルミや鉄としての販路を持つ業者であれば、十分に買取価格が付く可能性があるため、一度査定に出してみることをおすすめします。
