事故車の査定額の相場とは?査定基準や高く売るためのポイントもご紹介

事故車の査定額と相場についてのモチーフ 買取のポイント

事故の状況や損傷の程度、箇所などによって査定額に大きな差が生じることもある事故車ですが、売却する業者や査定のポイントを押さえておくことで、思わぬ値段が付くこともあります。
こちらでは、事故車の査定基準や査定額の相場、査定をどんな業者に依頼したらいいのかなど、事故車の査定前に知っておきたい情報について詳しく解説していきます。事故車の売却をお考えの方は、ぜひ参考にしてみてください。

事故車の査定基準とは?

事故車の査定を行う様子

一般的には、事故に遭った車のことを事故車と呼ぶことが多いですが、中古車業界では事故に遭っていても事故車として扱われない車もあります。どのような車が事故車として扱われ、どういった基準で査定されるのでしょうか。

修復歴の有無

事故車とは「車の骨格部分にあたる部品を交換、または修理した車」であることが、日本自動車検査協会・自動車公正取引協議会・日本中古車販売協会連合会の3つの組織によって定義されています。この定義に当てはまる車は修復歴車とも呼ばれ、中古車業界では事故に遭った車ではなく、修復歴のある車が事故車として扱われます。
以下の部品の交換や修理を行うと、修復歴のある事故車として扱われます。

  • クロスメンバー(フロント・リヤ)
  • サイドメンバー(フロントの一部・リヤ)
  • リヤフロア(トランクフロア)
  • ピラー(フロント・センター・リヤ)
  • インサイドパネル(フロント)
  • ダッシュパネル
  • センターフロアパネル
  • フロア
  • ルーフパネル
  • ステップインナー

事故に遭った車であっても、これらの部品の交換や修理を行っていない場合は事故車として扱われないため、大きな減額にはつながりにくいです。修復歴の有無は整備点検記録簿に記載されているため、売却前に一度確認しておくようにしましょう。

修理の有無

事故に遭った車であっても、修復歴がない場合は大きく減額されることはありませんが、事故によって傷やへこみができていたり損傷している箇所がある場合、修理されているかどうかは査定額に影響します。傷やへこみがある場合、中古車として販売する前に買取業者が修理を行う必要があり、時間や手間、費用がかかってしまうためです。
しかし、査定時の減額を避けるためだけに、傷やへこみを修理するのは避けましょう。これは、査定時に減額される金額よりも、修理費用の方が高くなりやすいためです。事故後に乗り続ける予定がなく、すぐに売却する場合は、修理をせずにそのままの状態で査定に出すことをおすすめします。

事故車の査定額の相場はどれくらい?

事故車の査定を行う様子

事故車の査定額は車種や年式、走行距離、車の状態などに加え、修復しているかどうかによっても異なります。事故車の査定額の相場はどれくらいになるのでしょうか。

修復していない事故車の場合

事故後の状態のままの事故現状車の場合、事故車ではない同じ車種、年式、走行距離の車の50%程度が査定額の相場となっており、通常の状態での査定額が高い車であればあるほど、マイナス分も大きくなります。
修復をしていない事故現状車は、買取業者が中古車として販売するために修復を行う必要があり、手間や時間、費用などがかかるため、修復をしている事故車よりも査定額が低くなるのです。また、損傷の程度がひどく、修復を行うのも難しいような事故車の場合は、通常の状態の車の50%にも満たない査定額、もしくは値段が付かないこともあります。

修復済みの事故車の場合

修復を行っていない事故車に比べ、修復歴のある事故車は買取業者が修復作業を行う必要がないため、査定額が少し高くなります。車種や年式、走行距離、車の状態などによっても異なりますが、普通車であれば通常の状態の車と比べて30~50万円程度、軽自動車は2万円程度の減額が査定額の相場になります。
修復していても減額されてしまうのは、骨格部分が車の動作に及ぼす影響が大きいためです。車の骨格部分を損傷してしまうと、修復したとしてもわずかな歪みなどが生じやすくなり、車の基本的な動作である「走る・曲がる・止まる」という機能が正常に働かなくなるリスクがあるため、査定額が低くなってしまうのです。

査定後に修理か売却かを判断しよう

事故車を修理して乗り続けるか、売却して新しい車に乗り換えるかを迷われる方も多いかと思います。修理か売却かで迷ったら、一度買取業者で査定を受け、修理費用の見積もりと査定額の見積もりを比較してみましょう。
事故車の修理費用は、損傷の程度や箇所によっては100万円を超えるなど、かなり高額になることも珍しくありません。修理を行っても安全性に問題が生じるリスクが高いことを考えると、年式などによっては売却し、新しい車に乗り換えた方がお得になることもあります。

事故車の査定はどこに依頼する?

事故車の査定を依頼する女性

事故車を高く売るためには、車の状態に合った買取業者を選ぶことが重要です。事故車の状態別におすすめの買取業者をご紹介しますので、売却時の参考にしてみてください。

傷が付いただけの車は中古車買取業者

事故に遭ったものの骨格部分に損傷がなく、傷やへこみができただけの場合は、一般的な中古車と同じ扱いになるため、中古車買取業者に売却しましょう。骨格部分に損傷がない場合、安全性への影響はほとんどなく、中古車買取業者が修復歴なしの中古車として販売することができます。

修復歴ありの事故車は海外販路のある中古車買取業者

骨格部分が損傷してしまった事故現状車や修復歴がある事故車の場合は、海外販路のある中古車買取業者に売却しましょう。修復歴のある事故車は、安全性に問題が出やすいことから日本では敬遠されやすい傾向にありますが、車は修理しながら長く乗るものだと考えられている海外では、高値で取引されることも珍しくありません。そのため、海外販路のある中古車買取業者であれば、海外に輸出した際の相場を査定額に反映させることが可能となり、事故車であっても思わぬ値段が付くこともあります。中古車買取業者が海外販路を持っているかどうかは、業者のホームページなどに記載されていることが多いため、売却前に確認しておくようにしましょう。

大破した事故車は廃車買取業者

骨格部分の損傷が激しく、修復するのも難しい事故車の場合は、中古車買取業者ではなく廃車買取業者に売却しましょう。買い取った車を中古車として販売する中古車買取業者とは異なり、廃車買取業者は中古車としての販売が難しいような車でも、パーツや鉄資源として販売できる販路を持っているため、大破した事故車であっても値段を付けて買い取ることができます。

事故車専門の買取業者がおすすめ

事故車の買取に特化している事故車専門の買取業者は、事故車の状態に合わせた豊富な販路を保有しています。修復して中古車として販売したり、解体してパーツや鉄資源として販売するなど、買い取った事故車が最も高く売れる販路を選択することができるため、状態によっては事故車であっても高値を期待することができます。また、自分で事故車の状態を見極め、売却する業者を判断する手間を省くことができるのも、事故車専門の買取業者に売却する大きなメリットであると言えます。

事故車の買取実績が豊富な事故車買取専門のカーネクストでは、全国13,000社の自動車関連業者と提携することで、事故車の状態に合った販路をすぐに探すことが可能となり、高価買取を実現しています。

事故車査定のポイント

事故車を査定している様子

事故車を少しでも高値で売却するために、事故車を査定に出す際に押さえておきたいポイントをご紹介します。

事故の経歴や修復歴を隠さない

事故に遭ったことや修復歴があることを隠して査定を受けるのは絶対にやめましょう。査定時に事故歴や修復歴を隠して車を売却し、後から発覚した場合、大きなトラブルに発展する可能性があります。
2020年4月1日に行われた民法改正により、売買契約や請負契約に適用される規定の一つである「瑕疵(かし)担保責任」が「契約不適合責任」に変更されました。これまでの瑕疵担保責任が「取引上、一般的に発見できない瑕疵に対して負う規定」であるのに対し、契約不適合責任は「契約内容と異なるものを提供した場合に責任を負う規定」となっています。また、瑕疵担保責任において、買主が売主に対して請求できる権利は「損害賠償請求権」と「解除権」のみでしたが、契約不適合責任には「追完請求権」と「代金減額請求権」が追加されるようになりました。これらの変更により、査定時に故意に修復歴を隠して車を売却した場合は、損害賠償を請求される可能性があります。

査定のために修復しない

修復していない事故車は、修復済みの事故車に比べて査定額が低くなりますが、乗り続けるためでなく、査定のためだけに修復するのはやめましょう。これは、修復をしていないことによるマイナス分よりも、修復にかかる費用の方が高くなることがほとんどであり、損をする可能性が非常に高いためです。
また、修復していない事故車の場合、買取業者が修復を行う必要がありますが、買取業者は自社の修理工場や提携先の修理工場に依頼できるため中間マージンが発生しにくく、個人で修理工場に依頼するよりも費用を安く抑えることができます。

ローンが残っていないか確認する

ローンを組んで車を購入した場合、所有者はディーラーやローン会社になっているため、所有権解除の手続きを行う必要があります。ローンが残っている車を買い取れるかどうかは買取業者によって異なりますが、基本的には所有権解除の手続きを行うためにはローンの残りを全額返済する必要があり、ローンを返済することができなければ、買い取ってもらえないことがほとんどです。査定時にローンの残りがあることを伝え、買取の可否を確認しておくようにしましょう。

査定額に還付金が含まれているか確認する

毎年4月1日時点で車を保有していると課せられる自動車税、車の区分や重量、経過年数に応じて課税される自動車重量税、全ての車に加入が義務付けられている自賠責保険の保険料は、車を売却することで還付金や返戻金を受け取ることができます。これらの還付金や返戻金を受け取れるかどうかは買取業者によって異なるため、査定時に確認しておくようにしましょう。

相見積もりを取る

事故車を高く売るためには、初めから売却する業者を一社に絞ってしまうのではなく、複数の買取業者の査定額を比較することが重要です。事故車の場合、買取業者が中古車としての販路だけでなく、パーツや鉄資源としての販路を持っているかなどによって査定額が大きく変わることもあるため、相見積もりを取ることで、思わぬ査定額を提示してくれる買取業者に出会えるかもしれません。
また、車を売却する際は、おおよその相場を把握しておくことが重要になりますが、事故車の場合、事故の状況や車の損傷具合によって査定額が変わるため、ネットなどで相場を検索するのも難しくなります。しかし、相見積もりを取ることでおおよその相場を把握することができるため、安く買い叩かれてしまうことなく、適切な価格で売却できるようになります。

まとめ

車の骨格部分を損傷していたり大破している事故車の場合、中古車として販売するのが難しく、値段を付けて買い取ることができない中古車買取業者がほとんどです。しかし、廃車買取業者事故車専門の買取業者は、パーツや鉄資源としての販路を持っているため、事故車であっても買い取ることができます。事故車だからと諦めてしまわずに、廃車買取業者や事故車専門の買取業者に一度査定に出してみるようにしましょう。

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