燃料計が故障すると、ドライバーは車の燃料がどのくらい残っているのか、わからなくなります。故障した燃料計が満量に近しい状態を示しているのに、実際の残量は実は少なくなっていると言った場合、突然ガス欠に陥ってしまう可能性もあるのです。
こちらの記事では、燃料計の故障が起こるとどんな状態になるのか、燃料計の故障原因や対処法など詳しく解説します。
燃料計とは
燃料計とは、自動車のエンジンを燃焼させるために必要な燃料の残量を示すメーターのことです。経済産業省令の計量法規程内容では、【自動車等給油メーター】と表記されています。燃料というとガソリンや軽油のほかに、電気自動車のリチウムイオンバッテリー充電量などもありますが、こちらの記事ではガソリン等の燃料計について解説します。
燃料計は、車のエンジンをONにするとメーターパネル付近に表示されます。車を走行中のドライバーは、燃料計によって燃料の残量を確認することが可能となり、ガス欠トラブルの防止につながります。
燃料の残量が満タンになっている時は【Fullの”F”】のところを差し、容量が減少すると空の【Emptyの”E”】側に、指針が近づいていきます。
燃料計の故障か?確認する方法

燃料計が正しい動作を行っていれば、(誤差を除いて)燃料の残量は燃料計が示す通りとなっています。しかし、燃料計のパネル側、もしくは残量を計測するセンサー側に故障があると、正しい量を示すことができません。
燃料計が故障しているかどうか確認するには、燃料タンクの残量を目視してからメ-ターパネルを見る等の手間をかけなくては難しいのでしょうか。こちらでは、燃料計が故障しているかどうかを確認する方法について解説します。
燃料を満タンまで給油したが針が動かない
燃料計が正しい数値を示しているのかどうかを確認するのであれば、ガソリンスタンド等に移動し、満タンまで給油してみましょう。元々の指針が、満タンの位置ではなかったのにFullに向かって動かないのであれば、燃料計は故障してしまっています。また、燃料を満タンまで給油しても、Emptyの状態かつ燃料残量警告灯がずっと点灯したままという故障の症状もあります。
表示内容については、燃料を満タンまで入れた後に数キロ以上走行しても、まったく燃料計の指針が減らないと言った逆転した状態になるという故障の場合もあります。
燃料計が表示されない
前述した内容は、燃料計のメーター表示自体はあるものの、燃料の残量との表示が一致していないことで故障が疑われるというものでした。このほかの燃料計故障の状態というと、燃料計表示が全くされない時です。特にメーターパネル付近が小型になっている車種は、デジタル燃料計を採用していることが多いのですが、エンジンをONにしてもデジタル燃料計が表示されないといった故障が起こっています。
燃料計の故障原因

燃料計故障の原因はいくつか考えられますが、その中でも代表的に考えられる4つの要因をこちらでご紹介します。
燃料ポンプ(フューエルポンプ)の不具合
ガソリン車には、燃料タンクからエンジンへ、燃料(ガソリン)を送り出す燃料ポンプが設置されています。その燃料タンクからエンジンへ送り出すための燃料ポンプに不具合があると、燃料計にも不具合が生じてしまいます。
燃料ポンプには、燃料の残量を計測するためのフロートセンサーがついています。フロートセンサーは燃料タンク内で浮きの役割を持つのですが、燃料タンクの錆やフロートセンサーに付着した汚れによって、タンク内部でフロートセンサーが固着してしまうと、正しい燃料の残量を計測することができなくなり、燃料計の故障につながります。
燃料タンクの不具合
燃料ポンプではなく、燃料を貯めておく燃料タンク自体の不具合が燃料計の故障につながることもあります。近年の車種のほとんどの燃料タンクは樹脂製が多くなっていますが、鉄製の燃料タンクが採用されている車ももちろんあります。
鉄製の燃料タンクの場合、気温差等で結露が発生することでタンク内に水分が溜まり、水抜き等をしないと燃料タンク自体の劣化や錆の原因になります。燃料タンクが劣化によって腐食したり、破損をすることでオイル漏れが起こり、燃料を充填しても燃料計が満タン表示にならない可能性があります。また、前述したように錆びによってフロートセンサーが燃料タンクで固着すると、燃料の残量を正しく測ることができない可能性があります。
センサーの配線の不具合
燃料ポンプ内にある燃料の残量を計測するためにフロートセンサーが設置されているのですが、センサーから燃料計までの信号を送る配線に不具合がある場合、正しい燃料残量の表示ができなくなってしまいます。配線の断線や接触不良は、車体の振動による損傷や経年劣化が原因として起こり、修理や部品交換をしないといけません。
燃料計表示パネル自体の故障
燃料計(ガソリンメーター)パネルは、デジタルパネルになっている車種も多くあります。デジタルパネル自体がエンジンを始動しても全く表示されていない場合は、電気系統に故障があるかもしれません。ヒューズによってデジタルパネルへ送られるはずの電力が、ヒューズ切れによって途切れているとパネル表示もされなくなります。また、電子機械のため、湿度による結露の発生や高温による機械本体の故障が原因の場合もあります。
燃料計の故障で修理するのにかかる費用

前項では、燃料計(ガソリンメーター)の故障原因で考えられることをご紹介しました。こちらではそれぞれの原因に対処するために必要な修理・交換費用の目安をご紹介します。
燃料計故障にかかる修理・交換費用の目安表
燃料計故障時に修理費用の目安を表にしてご紹介します。
| 修理箇所 | 費用相場の目安 | 
|---|---|
| 燃料ポンプ内のフロートセンサー交換 (修理)  | 7,000円~数万円 (30,000円~10,0000円)  | 
| 燃料タンクの交換・修理 | 40,000~120,000円前後 | 
| センサー配線の交換・修理 | 10,000円~30,000円前後 | 
| ヒューズの交換・修理 | 数千円 | 
| 燃料計の交換修理 (ユニット交換修理)  | 25,000円~ (100,000円以上の可能性)  | 
あくまで修理、部品交換費用を目安にしたものとなっており、整備工場やメーカーによってはさらに工賃がかかったり、修理に数日かかると代車費用がプラスしてかかることもあります。
まとめ
こちらの記事では、燃料計について詳しく解説しました。燃料計が故障してしまうと、ドライバーは運転中に残量確認ができず、気づかずガス欠等を起こしてしまう可能性があります。特に高速道路のような車が速度を出して走行している道路で突然ガス欠を起こすと、まず車のスピードが出なくなり、次にエンジンストップとなります。後続車が気づかなかった場合、追突事故を起こす可能性があり大変危険です。
走行に問題ないからといって放置せず、燃料計に異常があると気づいたら、点検整備工場へ依頼し、原因を突き止めて交換や修理をしてもらいましょう。
                        
                
                
                    
  
  
  
  