縁石や電柱、ガードレールにぶつかって車に傷がついた場合、その傷を自分で修理することはできるのでしょうか。専門店や業者に車の修理を依頼すると、依頼する業者や損傷の度合いによって異なりますが、費用は数万円程度になります。
また、修理を依頼した場合、お金だけでなく、時間もかかるため、車の傷の修理を自分でしたいと考える人も多いと思います。
こちらでは、車の傷を自分で修理するやり方や使用する道具について紹介していきます。
自分で修理可能な車の傷の種類
自分で修理できる車の傷は比較的軽度なものに限られます。損傷が大きい場合、表面上に見える傷以外にも車の骨格や内部に影響が出ていることが考えられるため、専門家に見てもらう必要があります。こちらでは修理が可能な車の傷の程度について具体的に紹介していきます。
自分で修理が可能な車の傷は擦り傷や小さなへこみのみ
自分で修理が可能な傷は車体の擦り傷に限られます。具体的には、ガードレールや電柱、縁石等に軽く擦った場合です。飛び石等による傷やへこみも小さなものであれば自分で修理可能です。
一方で、車両同士の衝突事故や縁石に乗り上げるような自損事故については、専門店や業者に修理を依頼する必要があります。また、飛び石等で窓ガラスに傷やヒビが入ってしまった場合も、自分で修理することはできないため、業者に依頼する必要があります。
自分で車の傷を修理した場合、修復歴はつくのか?
修復歴のある車とは、骨格部分の交換や修理を行った車を指します。そのため、自分で修理できる範囲の小さな傷やへこみであれば、修復歴がつくことはありません。
事故車の定義について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
自分で車の傷を修理する場合に必要な道具
自分で修理する場合、以下の道具が必要となります。
クリア塗装剤 | 塗装後に光沢を与え、塗料を保護する樹脂 |
コンパウンド | 液体状やペースト状の研磨剤 |
タッチペン※ | 傷を補修するための塗料 |
サンドペーパー | 表面を均したり、錆を落としたりする紙やすり |
ボカシ剤 | 補修箇所とその周囲の境を目立たなくする塗料 |
塗装スプレー | 剥がれた塗料を補うためのスプレータイプの塗料 |
プラサフ | 錆を防ぎ、塗装スプレーをなじみやすくする塗料 |
バンパープライマー | 塗料が剝がれやすいバンパー用の下塗り剤 |
パテ | 小さくへこんだ傷を埋めるための補修材 |
養生シート | 塗料が傷以外につかないよう保護するシート |
マスキングテープ | 塗料が傷以外につかないよう保護するテープ |
シリコンオフ | 車体表面の油分を除去するスプレー |
自分で車の傷を修理する場合の費用の目安
それぞれの道具の価格の目安は以下になります。
クリア塗装剤 | 1,000~4,000円程度 |
コンパウンド | 300~2,000円程度 |
タッチペン | 400~1,000円程度 |
サンドペーパー | 100~2,000円程度 |
ボカシ剤 | 400~2,000円程度 |
塗装スプレー | 500~4,000円程度 |
プラサフ | 300~1,000円程度 |
パテ | 200~1,000円程度 |
養生シート | 400~1,000円程度 |
マスキングテープ | 100~500円程度 |
シリコンオフ | 500~6,000円程度 |
塗装スプレーは色を現在の車体と合わせる必要があるため、お持ちの車によって値段が上下します。メジャーな車種であれば、クリア塗装剤とプラサフ、バンパープライマー、塗装スプレーをセット売りしているものを買えば約1万円で購入が可能です。
タッチペンも同様にお持ちの車によって値段が異なります。お持ちの車と一致した色にしたい場合はメーカーの出している純正品を使う必要があるため、一度価格を調べることをおすすめします。
車の擦り傷やへこみを自分で修理する方法
傷やへこみを修理する方法にはどのようなものがあるでしょうか。車の塗装は、一般的にクリア層、カラー層、下地層の3つの層で構成されています。上からクリア層、カラー層、下地層の順になっており、傷やへこみがどの層まで達しているかによって、修理の方法や道具を使い分ける必要があります。
傷の程度の見分け方については以下になります。
クリア層の傷 | 触っても凹凸がわからない程度のひっかき傷 |
カラー層の傷 | 車体の色が若干剥げて下地の白い部分が見えている状態 |
下地層の傷 | 下地層の下の鉄板が露出している状態 |
クリア層の傷の修理方法
クリア層の傷を修理する場合はコンパウンドで傷を均します。この他にも、ワックスを塗ることで傷が目立たなくなることもあります。
カラー層の傷の修理方法
カラー層まで傷が届いている場合の補修方法は以下になります。
- サンドペーパーで傷を均す
- 塗装スプレーをふる
- 塗装スプレーが乾く前にボカシ剤をふる
- 塗料が乾燥したらクリア塗装剤をふる
- 表面をコンパウンドで整える
※傷が小さい場合は塗装スプレーではなくタッチペンを使うのが適しています。タッチペンを使う場合の補修方法は以下になります。
- サンドペーパーで傷を均す
- タッチペンで傷を埋める
- サンドペーパーで表面を均す
- 表面をコンパウンドで整える
下地層の傷の修理方法
下地層まで傷が届いている場合の補修方法は以下になります。
- サンドペーパーで傷を均す
- プラサフで塗装する(バンパーの場合はバンパープライマーで塗装する)
- プラサフが乾いたら塗装スプレーをふる
- 塗装スプレーが乾く前にボカシ剤をふる
- 塗料が乾燥したらクリア塗装剤をふる
- 表面をコンパウンドで整える
車にへこみがある場合の修理方法
車にへこみがある場合、サンドペーパーで傷を均した後、パテで埋めて、その後塗装を行う必要があります。
作業時の注意点
作業を開始する前に、傷がついている箇所以外にタッチペンやスプレーがかからないようにマスキングテープと養生シートで保護することが大切です。
また、塗装スプレーやタッチペンを使用する前に、車体表面の油分をしっかり除去する必要があります。油分が付着したままではパテや塗料が密着せず、剥がれやすくなるため、シリコンオフを振った上で、きれいな布等で油分をふき取ることが大切です。
まとめ
小さな傷やへこみであれば、知識と道具があれば自分で修理可能です。一方で、下地層のさらに下の鋼板の部分まで傷や錆が及んでいる場合やへこみのある傷については、鋼板自体の板金修理をする必要があるため、専門店や業者に修理を頼まなくてはいけません。また、修理の難易度には差があり、上手く修理できない場合は補修を繰り返す羽目になるため、自信がない場合は無理せずに専門家に依頼することをおすすめします。
事故による損傷が大きい場合は修理費用が高くなる可能性もあるため、売却も視野に入れる必要があります。骨格部分に損傷がある車は中古車として再販することが難しいため、買取が難しい場合もあるかもしれませんが、事故車買取カーネクストでは、パーツや鉄資源を売却するための販路を持っているため、事故車でも買取が可能です。事故車だからと諦めずに、ぜひ気軽にご相談ください。