シニアにおすすめの安全な車は?

交通事故

令和5年末時点で、免許保有者のうち24.2%が65歳以上になっています。シニアドライバーが増えている中、シニアドライバーの事故が問題になっています。警察庁によると、75歳以上の高齢ドライバーによる交通死亡事故件数はここ2,3年で増加傾向にあり、令和5年現在では免許人口当たりでは75歳未満の約2倍の発生件数になっています。シニアドライバーにとって、事故を未然に防ぐ安全性能は非常に重要であることが分かります。

今回は、車を安全に運転したいシニアにおすすめな安全な車をご紹介いたします。

シニアにおすすめの車を選ぶポイント①安全性能

シニアにおすすめの車選びには、2つのポイントがあります。安全装置の充実度と、日常の負荷をいかに減らすかという点です。

シニアの交通事故は多い→安全装置がポイント

シニアドライバーの死亡事故の特徴は、「ハンドルの操作不適」や「ブレーキとアクセルの踏み間違い」などの不適切な操作が原因であることが多いことです。警察庁によると令和5年の死亡事故の人的要因を比較したデータでは、75歳未満では操作不適が原因である割合は9.9%であるのに対し、75歳以上は27.6%と2.5倍以上の割合になっています。

そのため、シニアドライバーが車を選ぶときは、踏み間違いやハンドル操作のミスを防ぐ安全装置が搭載されているかどうかを一つのポイントにするとよいでしょう。

サポカーS がおすすめ

主な安全装置として、衝突しそうなときに自動でブレーキをかける「衝突被害軽減ブレーキ」をはじめ、ブレーキと間違えてアクセルを踏んでしまったときに急発進を防ぐ「ペダル踏み間違い急発進抑制装置」、車線からはみ出るときに警報を鳴らす「車線逸脱警報」、自動でハイビームとロービームを切り替えて視界を良好に保つ「先進ライト」などがあります。

サポカーとは、衝突被害軽減ブレーキを搭載した自動車を指します。サポカーは、安全装置の性能によって4つの区分に分けられます。

サポカーサポカーS ベーシックサポカーS ベーシック+サポカーS ワイド
衝突被害軽減ブレーキ◎※2(歩行者にも)
ペダル踏み間違い急発進抑制装置×△※1(制限有)
車線逸脱警報×××
先進ライト×××

※1ベーシックは急発進抑制装置が作動する速度に制限があり、時速30km以下でないと作動しない一方、ベーシック+は時速30km以上の速度でも急発進抑制装置が作動します。

※2衝突被害軽減ブレーキは基本的には「対車両」のみの対応ですが、サポカーSワイドは「対歩行者」にも対応しています。

ペダルの踏み間違い事故というシニアに多い事故を防ぐためには、ペダル踏み間違い急発進抑制装置が搭載されている「サポカーS」の3区分にあたる車種を選ぶことをお勧めします。

サポカーは購入にあたって補助金がでる可能性があります。お住まいの自治体などで補助制度を調べてみるとよいでしょう。

自分の生活スタイルに合った車を

サポカーSを選べば、ペダルの踏み間違いを防ぐことが出来るため安心です。他の安全装置に関しては、自分の生活スタイルに必要かどうかで選べばよいでしょう。

例えば、自動で前の車に合わせて自動運転をするシステムは、高速道路に乗って出かける機会がある人にとっては非常に役に立ちますが、高速道路に乗ることがない生活スタイルの人にとっては、費用をかける価値があるのかどうかは考えどころです。

また、街乗りで小回りが利く車の方が運転しやすい場合は、コンパクトな車や、車をこするのを防げるようなカメラやセンサーが付いた車を選ぶと便利でしょう。

また、最新のモデルほど最新の技術が搭載されているため、新しい車程安全性能は高くなる傾向があります。

シニアにおすすめの車を選ぶポイント②日常の負担の少なさ

車を運転するときの負担が少ない車を選ぶとよいでしょう。乗り降りのしやすさ、駐車のしやすさ、メーターの見やすさ、車体がコンパクトで小回りが利くこと、などがポイントになります。

駐車のしやすさは、近年バックカメラなど駐車時をサポートする機能が搭載された車も販売されています。後ろを振り返ることが首などの負担になる場合はお勧めです。車体がコンパクトで小回りが利く車の方がぶつかるリスクがすくないと言えます。

また、試乗してみて分かる点としては、「乗り降りがしやすいこと」「メーターなどが見やすいこと」「視野の広さや車体感覚のつかみやすさなどの運転のしやすさ」などが挙げられます。

シニアにおすすめの車種は?8車種をご紹介

シニアにおすすめの車種について、ご紹介します。

トヨタ アクア コンパクトさと燃費の良さが特徴

エントリーモデルであるXをはじめ、G、Z、そしてスポーツカーのテイストのGR SPORTのすべてのグレードでサポカーS ワイドに対応しています。コンパクトで小回りが利き、燃費が良い点が大きな特徴です。また、目立つことにより事故を防ぎやすい暖色系のカラーも豊富に用意されています。

Toyota Safety Senseも全車に対応しており、衝突被害軽減ブレーキであるプリクラッシュセーフティは、車両と歩行者(昼夜問わず)と、自転車運転者(昼のみ)を検知することが出来ます。これは、トヨタのプリクラッシュセーフティの中では2番目に高い性能になります。

ホンダ フィット 自由に選べる豊富なバリエーション

全てのグレードでサポカーS ワイドに対応しています。また、e:HEV HOME(FF)はJNCAP総合評価において2020年に「ファイブスター賞」を受賞しており、安全性能が高く評価されています。また、5つのバリエーションが用意されており、好みやライフスタイルで自由に選ぶことが出来ます。

Honda Total Care プレミアムの基本パック(月額550円)に加入することで、3つのサポートを受けることが出来ます。エアバッグ展開時には自動で緊急サポートセンターへ連絡が入り、オペレーターの呼びかけに応答しない場合は警察や消防へ通報を行ってくれます。

また、あおり運転を受けてしまったときやエアバッグが展開しない事故等のときに押せば同様に緊急サポートセンターとつながる緊急通報ボタン、そして車両の不具合が起こったときにサポートを受けられるトラブルサポートボタンの2つのボタンがあります。

これらのサポート機能により、より安心なカーライフを送ることができます。

高速道路に乗ってドライブを楽しむ人にとっては、自動追従の機能があったり、走行性能が高い車がおすすめです。

日産 ノート 高い走行性と使い勝手の良い広い車内が特徴

全グレードがサポカーS ワイドの対象車のコンパクトカーです。また、2021年にJNCAP総合評価において「ファイブスター賞」を獲得しています。

グレードによってはプロパイロットをオプションで搭載できるため、長距離を運転する際の負担が軽くなります。

プロパイロットは、アクセルとブレーキを操作を補助することで車間距離を保ち、ハンドル操作を補助することで車線内の中央に車を維持し、カーブの際の速度を調整することでスムーズに曲がれるように車をコントロールします。

マツダ MAZDA2 こだわりのドライビングポジション

全車サポカーS ワイド対象車のコンパクトカーとなっています。マツダの車は、ドライビングポジションがほかの車とは異なっていることが特徴です。

多くの車は、前輪があるためにペダルの位置が運転手の体に対して左側によっていますが、マツダ車は座った位置から自然に足を延ばした先にペダルを設置するために前輪の位置を少し前に出しています。

また、オルガン式のペダルにすることでペダルを踏んだ時にかかとが移動しなくてもよいため、アクセルからブレーキへの足の移動がよりスムーズになるというデザインになっています。

このようなドライビングポジションのこだわりによって、運転手への負担を減らすことを実現しています。

また、危険検知警報システムとして、車線逸脱警報装置だけでなく、後方から接近する車両がいるときにウインカーを出すと警報を出すブラインド・スポット・モニタリングと、駐車場などから後退するときに後ろに接近した車両を検知して警告するリア・クロス・トラフィック・アラートも全車標準装備となっています。

トヨタ カローラ 低重心と高い走行性能が特徴

スタンダードなXをはじめ、G、W×BもすべてのグレードがサポカーS ワイド対象車です。自動車の安全性能について検査を行っている2021年度JNCAP総合評価において「ファイブスター賞」を獲得しています。

トヨタの自動ブレーキであるプリクラッシュセーフティは車両、歩行者、自転車運転者のどれも昼夜問わず検知し、自動二輪車(昼のみ)も検知することができる最上位の性能のものが搭載されています。

また、プロアクティブドライビングアシストも全車に搭載されており、リスクを回避するように運転をさりげなくサポートしてくれます。3ナンバーサイズと少々大きいですが、最小回転半径は5.0mと取り回しが良いところもポイントです。

GとW×Bでは、前方のドライブレコーダーと駐車時にうれしいバッグガイドモニターも搭載されています。

スバル インプレッサ 安全性能が高い「アイサイト」搭載

スバル独自の安全性能「アイサイト」を全車に搭載しています。アイサイトを搭載した車の追突事故率は0.06%と非常に低く、搭載前の0.56%と比較するとおよそ9割の追突事故を防いでいる計算になります。

また、JNCAP「自動車安全性能2023ファイブスター大賞」を受賞しており、安全性能が高く評価されています。

ただし、サポカーSワイドの対象車は、「ステアリング連動ヘッドランプ」+「アダプティブドライビングビーム」の搭載車のみになります。それ以外は、サポカーS ベーシック+の対象車となります。

インプレッサのグレードはSTと、ST-GとST-Hの3つがありますが、ST-Hは上記の安全装置が標準装備されているため、サポカーS ワイドの対象車となります。ST-Gは一部のみメーカーオプションで搭載が可能です。スタンダードなグレードのSTは、サポカーS ベーシック+となります。

トヨタ ヤリス 乗り降りがしやすいターンチルトシートが特徴

乗り降りがしやすい車は身長・体格によって異なるため、実際に乗ってみて判断するのが一番ですが、特に乗り降りのしやすさにおいて特徴的な車種をご紹介します。

オプションとして、運転席や助手席が回転する「ターンチルトシート」を選ぶことが出来ます。それぞれ9万円程度で装着することができます。ドア側に回転して傾くことで、乗り降りがしやすくなるというメリットがあります。身長などによっては乗り降りがしにくい場合もあるため、気になる方は一度試乗してみるとよいでしょう。

もちろん、全車 サポートS ワイドの対象車です。また、プリクラッシュセーフティは車両、歩行者、自転車運転者のどれも昼夜問わず検知し、自動二輪車(昼のみ)も検知してブレーキをかけることができる最上位の性能のものが搭載されています。

まとめ

シニアドライバーにとって、安全性能の高い車を選ぶことは非常に重要です。安心して運転できる車を選び、事故を未然に防ぎましょう。

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