雹害車は修理と買取どちらがお得?査定の減額理由や雹対策をご紹介

車に被害の出る自然災害にはどのようなものがあるでしょうか。多くの方は台風や地震を思い浮かべるかもしれません。確かに台風や地震は車に被害を与える自然災害の代表例ですが、台風や地震に負けず劣らず車に被害を及ぼす自然災害の一つに「雹害ひょうがい」があります。

雹害によって車はどれだけのダメージを受けるのしょうか。また、雹害にあった車は乗り続けることができるのでしょうか、買取に出してしまった方がお得なのでしょうか。

こちらでは雹害が車に与える損傷や雹害にあった車を修理したり、買取に出したりする判断基準について解説していきます。

雹害車とは?車両保険は適用される?

雹害車とは、雹(空から降ってきた氷の粒)によって損傷を受けた車のことをいいます。氷の粒は春や秋の季節の変わり目に降ることが多く、直径が5mm以内のものが霰、直径が5mm以上のものが雹と呼ばれます。

5mmと聞くと大したことがないように感じるかもしれませんが、最も小さい5mmメートルの雹であっても地表に到達する頃には時速36kmになります。自転車のロードレースでプロのレーサーの走っている速度が平均で時速40kmなので、それよりも少し遅いくらいをイメージしてもらうとよいかもしれません。雹にも様々なサイズがあり、仮に5cmの雹が降ってきた場合、その速度は100kmを超えます。車を破損させるには十分な速度であり、人に当たれば大ケガにもつながります。

このように台風や地震に負けないくらい危ない雹害ですが、車にはどのような被害が出るのでしょうか。また、被害を受けると修理費や新しい車に乗り換えるためにお金が必要になりますが、そもそも雹害で車が傷ついた場合に車両保険は適用されるのでしょうか。

こちらでは、雹害の影響が出る車の箇所や被害にあった場合に車両保険の適用の可否について詳しく解説していきます。

主に雹害の影響が出る車の箇所

雹害によって傷つくのは、車の上部のパーツです。具体的には、ボンネットやルーフ等に凹みができます。凹みの大きさは、小さいものであれば直径1cm(パチンコ玉の大きさ)、大きいものであれば直径5cm(10円玉の大きさ)になります。また、当たり所が悪ければリアガラスやフロントガラスが割れる場合もあります。

雹害にあった場合、車両保険は適用されるのか

雹害にあった場合、車両保険は適用されます。そのため、雹害にあった車を修理したり、新しく乗り換えたりする際の修理費を全て自分でまかなう必要はありません。ただし、被害の程度や免責金額の設定の有無によって支払われる金額は異なります。一般的に以下の3つのパターンに分けられます。

・被害の程度が軽く、免責金額を設定していない

限度額の範囲内で保険会社から修理にかかる費用が支払われます。

※免責金額とは、月額の保険料を下げるために、保険会社から支払われる費用の一部を自分が負担する制度です。

・被害の程度が軽く、免責金額を設定している

保険会社から修理にかかる費用の一部が支払われますが、残りは自分が支払う必要があります。

・被害の程度が大きく、車が全損扱いになった場合

事故時点での車の時価額が保険会社から支払われます。

※全損とは修理が不可能な場合や、事故を起こした時点での車の市場価値を修理費が上回った場合を指します。

保険会社によって補償の範囲は異なるため、雹害にあわれた際には一度加入されている保険の内容を確認することをおすすめします。

雹害車の修理費用はいくら?買取に出す基準や査定の減額理由

雹害にあった車を修理するには、どれくらいのお金がかかるのでしょうか。また、どのくらいの被害があったときに買取を検討したらよいのでしょうか。

こちらでは、雹害にあった車を修理にかかる費用や買取を考える基準について詳しく解説していきます。

雹害車の修理にかかる費用の相場

雹害車は損傷箇所・程度によって修理費用が大きく変わります。また、場合によっては、修理ではなく、パーツの交換をした方が安くなるケースもあります。修理・交換費用については以下の通りです。

・修理費用(1か所あたり)

ボンネット・ルーフ:1.5万円~10万円以上

・交換費用

ボンネット:6万円~10万円以上

ルーフ:10万円~100万円以上

ボンネットの場合は、比較的交換費用が安いため、凹みが複数見られる場合には修理よりも交換が安上がりになります。一方でルーフの場合は、ルーフパネル自体が車体の他のパーツと溶接されていることもあり、交換に手間がかかるため、費用も高額になります。そのため、凹みが少ない場合は修理の方が安く済みます。

雹害車の修理の依頼先としては、ディーラーや板金塗装工場、カー用品店があります。一般的にディーラーに頼む場合は、しっかり修理してもらうことができ、交換に使用するパーツも純正品になるため安心な反面、費用が高くなります。一方で、板金塗装工場やカー用品店に頼む場合は、費用はディーラーより安い一方で、交換部品の品質やどの程度の修理してもらえるのかを十分確認する必要があります。

凹みがたくさんあるとデントリペアでも修理費が高くなる

車にできた凹みの修理方法として、専用の工具で凹んでいる箇所を裏側から押し出して表側の凹みを平らにするデントリペアという手法があります。修理時間が短くて済むこと、修理費用がかからないといったメリットがあるため、雹害車もこの方法を使えば安く修理できるのではと考える人もいるかもしれません。

デントリペアと板金修理の違いは作業の工程数にあります。通常、板金修理は表面の塗装を一度はがしてから凹みをパテで埋め、再度塗装を塗り直すという工程をとります。塗装を塗り直す過程では、当然ながら塗装を乾かす時間も必要になるため、仕上がりまでに数日~1週間程度の時間を要します。一方で、デントリペアであれば、凹みを裏側から押し出すだけでよいため、塗装をはがしたり、塗り直したりする工程を省くことができ、早ければ30分程度で作業が完了します。また、作業工程が少ない分、工賃も安くなり、板金修理であれば5万円以上する修理が2万円程度で済むこともあります。

しかし、一口に安く修理できるとも言えないため、注意が必要です。あくまで1か所あたりの修理費が2万円程度で済むという話であり、凹みの数によっては修理費用も高くなります。まずはパーツ交換にかかる費用を把握したうえで、修理にかかる費用の総額と見比べることをおすすめします。

修復歴がつく雹害車は買取・査定で減額される

修理・交換のどちらをするにしても、雹害による凹みがたくさんあった場合は費用が高くなってしまいます。そんな時は買取を検討するのも一つの手です。しかしながら、どのような基準で修理・買取を選べばよいのかわからないという方も多いと思います。

雹害車に限らず、車の査定額に大きく影響が出るのが修復歴の有無です。修復歴とは、車の骨格を修復・交換した履歴のことをいいます。事故等によって骨格部分が傷付いてしまった場合、仮に修復したとしても安全性に不安が残ったり、修復の仕方によっては耐久力が落ちて劣化しやすくなるため、査定額が大幅に下がります。

骨格部分といっても、どのパーツのことを言っているのかわからない方も多いと思います。雹害車の場合、主に損傷の出る箇所のうち、ボンネットは骨格部分ではありませんが、ルーフは車の骨組みのピラーに溶接されているため、「骨格の一部」と見なされます。ルーフパネルを交換する場合、ピラーを少なからず触ることになるため、骨格部分を修復したという扱いになってしまいます。また、交換ではなく、ルーフパネルを修復した場合でも一定の割合で修復歴ありと見なされてしまうことがあります。

それは車内から見た時の天井部分(インナーパネル)に凹み・曲がりがある場合や大きな(・・・)凹みを修復した跡が見られる場合です。凹みの大小をどのように判断するか疑問に思う方もいると思いますが、一般的に運転免許証のサイズ(8.5cm×5.4cm)未満は「小さな損傷」と見なされるため、それ以上のサイズの凹みや修復の痕跡がある場合は修復歴ありと判断されます。

修復歴がつくような大きな凹みがルーフにできた時点で車の査定額は落ちてしまい、仮にパネルを修復・交換しても査定額が上がることはありません。ご自身の車の被害状況に合わせて、修理・交換・買取のどれかを選択することが大切です。

雹害にあった時の車の修理・交換・買取を判断する経路のモチーフ

買取・査定で減額される雹害から車を守る手軽な対策とは?

車の価値が大幅に下がってしまう雹害を防ぐには、被害を受けるボンネット・ルーフの上部を何かしらで保護する必要があります。ガレージを建てれば最も効果的に雹害を防ぐことができると思われるかもしれませんが、ガレージを建てるには最低でも50万円相当の費用が必要なうえ、建てた後に固定資産税が発生します。もっと手軽に安く雹害を防ぐ手段はないのでしょうか。

こちらではなるべく費用をかけずに雹害を防ぐ方法について解説していきます。

毛布や布団、厚手の車カバーで車の表面を覆う

毛布や布団、厚手の車カバーで車の表面を覆うことで手軽に雹害から車を守ることができます。ただし、雹が降る場合は同時に強風が吹いていることも多いため、風で飛ばされないように車用のゴムバンドでカバー等を固定することが大切です。厚手の車カバーとゴムバンドは以下の費用でお求め可能です。

厚手の車カバー5千円~3万円程度
車用ゴムバンド千円~5千円程度

屋内駐車場(コインパーキング)に車を避難させる

気象情報で雹が降る可能性があることを事前に知った場合は、屋内のコインパーキングに車を避難させるのも一つの方法です。コインパーキングであれば、費用も安く抑えられるため、自宅近くにコインパーキングがないか下調べをしておくことをおすすめします。

まとめ

かなとこ雲

気候が不安定な季節の変わり目は、日頃から気象情報を確認したり、空模様を見て、事前に対策を行い、雹から車を守ることが大切です。特に「かなとこ雲」と呼ばれるてっぺんが平たくなっている積乱雲は雹が降る前兆であるため、発見した際には注意が必要です。

万が一、雹害で車に多くの凹みができて悩まれた際には、事故車買取専門のカーネクストまでご相談ください。修復歴がついた車は、再販が難しいため価格は下がってしまいがちですが、カーネクストは自社オークションや海外販路を持っているため、パーツや鉄資源として車を高価買取することが可能です。お電話一本で無料で査定額を知ることもできるため、ぜひ気軽にお問い合わせください。

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