車の利用頻度が低い、駐車場やメンテナンス費用を掛けたくないという理由から、自家用車を持たず、「レンタカー」「カーシェア」「カーリース」などのサービスを利用する人が近年増加傾向にあります。
こちらの記事では、それぞれのサービスを比較検討しながら、サービスを利用して借りた車で事故を起こしてしまった場合の対応などについても併せて解説します。

レンタカー・カーシェア・カーリースのサービスの特徴

まずは、自家用車を持たず車を利用できる、「レンタカー」「カーシェア」「カーリース」の3つのサービスの特徴からご紹介します。
レンタカーの特徴
レンタカーは必要な時だけ車を一時的に借りたい人向けのサービスです。利用時間によって料金が発生し、ガソリン代は利用者が支払うことになります。
定期的な費用は発生せず、利用した時間毎の料金と、消費したガソリンの給油代金のみ必要となるため、普段車を利用しない人が、旅行先などで車が必要になった時に借りるなどの用途に適しています。ただ、日常的に利用するとなると、他のサービスよりも料金が高くなってしまう傾向があります。
カーシェアの特徴
カーシェアは、定期的に車を短時間(短距離)利用する人向けのサービスです。月額の会員料金と、利用時間による料金が発生します。ガソリン代は利用料金に含まれますので、提携しているガソリンスタンドでの給油となります。カーシェアは月額の利用料金が設定されるため、全く利用しない月があると、不要な料金を支払うことになってしまいます。
利用頻度的に、毎月車を利用する機会がないのであれば、レンタカーの方が良いでしょう。利用時間が短時間(週に数時間、月に十数時間程度)であればお得に利用できますので、週末にスーパーや買い物に行くなどの短時間の街乗りをする用途に向いています。レンタカー同様、長時間の利用は高くなってしまいます。
カーリースの特徴
カーリースは数年単位の契約で、車を長期的に利用したい人向けのサービスです。
車両本体価格や税金などの各種諸費用を含めたリース料を毎月支払うことで、その車を長期的に使用することができます。たまにしか車に乗らないなど、短期間・短時間の利用で済む場合は、レンタカーやカーシェアの方が安く運用できますが、長期間・長時間の利用をしてもリース料は一定ですので、利用頻度が高い人にとってはカーリースがおすすめです。ただ駐車場料金やガソリン代金等はすべて自己負担になります。
レンタカー・カーシェア・カーリースのサービス比較表
「レンタカー」「カーシェア」「カーリース」の、3つのサービスを比較して一覧にまとめています。ご自身の車の利用環境や状況に合わせたサービスはどれか、参考にご覧ください。
比較項目 | レンタカー | カーシェア | カーリース |
---|---|---|---|
想定利用頻度 | 必要になった時だけ | 週末利用(週2~3日) | ほぼ毎日 |
利用期間 | 短期間 半日や長くとも1~2日程度 | 月単位契約で必要な期間だけ | 数年間(3~5年程度)の契約 |
定期的な支払い | なし | あり(基本利用料) | あり(リース料) |
利用時間による支払い | あり | あり | なし |
ガソリン代 | 利用料負担 | 無料 (利用料金に含まれる) | 利用者負担 |
自動車保険 | 利用料金に含む (自賠責保険) | 利用料金に含む (自賠責保険) | 利用料金に含む (自賠責保険) |
車の保管場所 | レンタカー店舗 店舗から出発し、返却する | 提携駐車場 提携駐車場から出発し、返却する | 自宅駐車場や 月極駐車場 (利用者負担) |
適した用途 | 旅行など不定期な用事 | 週末の買い物など、定期的かつ短時間の街乗り | 通勤・買い物・旅行などなんにでも |
レンタカー・カーシェア・カーリース利用中の事故の時は
「レンタカー」「カーシェア」「カーリース」のサービスを利用中に、交通事故を起こしてしまった時の対応について解説します。
交通事故の時は負傷者の救護が第一優先
まずはサービス等に関係なく交通事故を起こしてしまった時は、【第一に負傷者の救護】を行います。運転を止めて車を停止させ、負傷者がいないかすぐに確認を行い、怪我をしている人がいれば安全なところへ移動します。運転者のご自身、歩行者、同乗者、他の車両の運転者などに怪我をしている人がいる場合は、救急車を要請します。
救急を要請する手順
- 救急車の要請は、局番なしの【119】に電話を掛けます。
- 救急か火事か、聞かれますので交通事故の【救急】であることを伝えます。
- 救急を要請している場所はどこか聞かれます。
事故の際は、知らない土地で住所や番地が分からない時もあると思います。その際は大きな建物やお店など目標になるものを伝えます。場所を伝えた時点で救急車は要請されています。 - 次に現在の状況が聞かれます。急病か怪我かどうか聞かれますので、怪我人がいることを伝えます。
- 怪我人が誰なのか(歩行者等との対人事故で知らない人であればそのまま伝えます)
- 怪我人の状態、意識や呼吸があるかなどを伝えます
119番通報をした時、状況次第では応急処置の方法などを電話口で教えてもらって対応することがあります。その時は、携帯電話等をスピーカーにして応急手当に協力しましょう。
交通事故の届け出を警察へ行う
第一の負傷者の救護活動が落ち着き、車の移動など安全を確保できたら、事故の現場を離れずにその場で警察へ事故の通報(届け出)を行います。事故の内容が大きな事故、小さな事故に関わらず通報は義務ですので、必ずその場で行いましょう。警察への届け出を怠ると、交通事故証明書が発行できず、レンタカー会社が加入している車両保険が利用できないなどの可能性があります。
レンタカー・カーシェア・カーリースの会社へ連絡する
負傷者の救護と安全の確保、警察への連絡を終えたら、次に事故の現場からレンタカー・カーシェア・カーリースの緊急連絡先へ連絡します。契約車両の加入している保険会社は各社サービスごとに異なりますので、事故を起こしてしまった相手との示談等を、その場で車を借りている本人は行いません。事故発生時の連絡先は、契約時に必ず提示されていますので、万が一の際に車内で連絡先がすぐに確認ができるように、事前に分かりやすい場所へ控えておきましょう。
レンタカー・カーシェア・カーリースの事故の時の補償内容

レンタカー・カーシェア・カーリースを利用中に借りている車で事故を起こしてしまい、人に怪我をさせてしまったり、車や建物等に損傷を与えてしまった時は、事前にどのようなプランで借りる契約をしていたかどうかで、事故の際の補償内容が変わってきます。
事前に加入しておくべき補償サービス
「事故を起こさない」が最も良いのですが、万が一交通事故を起こしてしまった時のことを想定し、事前に加入しておくべき補償サービスがあります。それが事故を起こしてしまった時の対人・対物補償オプションです。
レンタカーの場合は、利用料金内に車両保険の保険料が含まれている場合があり、事故時の補償もついています。しかし、カーリース等の長期で契約する場合は、自賠責保険のみが料金内に含まれていて、任意保険はご自身で加入しなければならないことが多くなっています。
レンタカーサービスの場合、日単位もしくは時間単位で車を借りることになります。その際保険や補償内容が手厚いプランを選ぶと基本料金が数百円から数千円高くなりますが、何かあった時のことを考えれば安心です。対人補償、車両補償は全てのプラン共通で加入済みのプランが多いようですが、人身傷害補償や対物補償についてはオプションの上位プランを設定していないと、何かあった時の補償金額に制限が掛けられる場合がありますので、万が一建物等を損傷させてしまった時に補償金額では足りず、ご自身で負担しなければならない可能性もあります。
レンタカー・カーシェア・カーリース等の保険内容では補償に不安がある時は、ご自身で別途任意の車両保険に加入し、他車運転特約をつけておくようにしましょう。
まとめ
今回は、レンタカー・カーシェア・カーリースといった自家用車を持たずに車を利用することができる、3つの車を借りるサービスについて解説しました。万が一車を借りるサービスを利用中に、交通事故を起こしてしまった時の対応方法や補償についてもご紹介していますので、検討時の参考にご覧ください。
また、自家用車を利用する機会が減少したため、手放して車を借りるサービスを利用しようか検討されている方で、車の手放し先を探している方はカーネクストまでお気軽にお問い合わせください。